不織布とは何か
不織布とは、繊維を糸にして織ったり編んだりするのではなく、
繊維をシート状に並べて機械的・熱的・化学的に結合させた材料である。
この材料は工程が短く、生産速度が非常に速いという特徴がある。
例えば不織布の代表的な製法であるスパンボンドでは、生産速度は約500m/分とされ、一般的な織物より大幅に高速で製造できる。
不織布の種類(結論)
不織布の製造技術は大きく次の 3分類に整理できる。
①乾式不織布(Drylaid)
短繊維を空気や機械で並べる方法
代表製法
- カード法
- エアレイド
- ニードルパンチ
- スパンレース
②湿式不織布(Wetlaid)
水中で繊維を分散させて抄造する方法
③紡糸直結不織布(Spunlaid)
ポリマーから直接繊維を作る方法
代表製法
- スパンボンド
- メルトブロー
- フラッシュ紡糸
図解① 不織布の分類
不織布
├─乾式不織布
│ ├カード
│ ├エアレイド
│ ├ニードルパンチ
│ └スパンレース
│
├─湿式不織布
│ └湿式抄造
│
└紡糸直結
├スパンボンド
├メルトブロー
└フラッシュ紡糸
乾式不織布
乾式不織布は
短繊維を空気または機械で配列する製法である。
カード法
カード機で繊維を櫛のように整列させてウェブを作る。
特徴
- 繊維配向を制御できる
- 厚物不織布が可能
主用途
- 自動車内装
- フェルト
- カーペット
エアレイド
空気流で繊維を分散させてウェブを作る方法。
特徴
- バルキー構造
- 吸水性が高い
主用途
- 紙おむつ
- 衛生材料
スパンレース(水流交絡)
高圧水で繊維を絡ませて結合する製法。
水流が繊維ウェブに衝突し、繊維同士を絡ませて強度を発現させる。
主用途
- ウェットティッシュ
- 医療材料
- 化粧用シート
図解② スパンレース構造
高圧水
↓↓↓↓↓繊維ウェブ
~~~~~~~~~~~~~水流衝突繊維が絡む
X X X X X
湿式不織布
湿式不織布は
紙の製造と似た工程で作られる。
繊維を水中に分散させてスラリー化し、抄紙機のような設備でシート化する。
特徴
- 非常に均一
- 微細繊維対応
主用途
- フィルター
- 電池材料
- ティーバッグ
実在企業例
廣瀬製紙
フィルター用途の湿式不織布を製造している。
図解③ 湿式不織布
繊維 + 水 ↓繊維スラリー ↓ワイヤー上で脱水 ↓シート形成
紡糸直結不織布
ポリマーを溶融し、
繊維を直接作りながらシート化する製法
大量生産に向く。
スパンボンド
ポリマーを溶融紡糸し、連続フィラメントを直接ウェブ化する製法。
特徴
- 高強度
- 高生産性
主用途
- 衛生材料
- 農業資材
- 建築資材
実在企業
- 東レ
- 旭化成(エルタス)
図解④ スパンボンド
ポリマー
↓
溶融紡糸
↓
フィラメント
↓
ウェブ形成
↓
熱圧着
メルトブロー
溶融樹脂に熱風を吹き付けて
極細繊維を形成する製法
極細繊維のため捕集性能が高い。
主用途
- マスク
- フィルター
- 医療材料
図解⑤ メルトブロー
ポリマー溶融
↓
ノズル
↓
熱風極細繊維
~~~~~~~ウェブ形成
フラッシュ紡糸
高圧溶媒中のポリマーを急膨張させて繊維化する。
実在企業
DuPont
フラッシュ紡糸不織布
Tyvek を開発。
特徴
- 高強度
- 防水
- 透湿
用途
- 建築防水
- 防護服
図解⑥ フラッシュ紡糸
高圧溶媒
↓
急膨張
↓
微細繊維生成
↓
シート形成
不織布の複合構造
現在の多くの不織布は
複数製法を組み合わせる。
代表例
SMS
Spunbond
↓
Meltblown
↓
Spunbond
この構造は
- 強度
- バリア性
を両立するため
衛生材料で広く使われている。
本記事まとめ
不織布の種類は
製造方法で分類できる。
主分類
乾式
湿式
紡糸直結
主製法
- カード
- エアレイド
- スパンレース
- 湿式
- スパンボンド
- メルトブロー
- フラッシュ紡糸
そして現在の多くの製品は
SMSなどの複合構造で設計されている。


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