不織布の見分け方は、一見難しそうに思えますが、実務で使うレベルであればそれほど複雑ではありません。むしろ、順番を守って確認していけば、かなりの精度で判断できるようになります。
この記事では、サンプルの不織布を手にしたときに何から確認すべきかを、現場で使える形で整理します。新人の方でもそのまま実践できる内容です。
目次
まずは目付を確認する
不織布を見たときに、最初に確認すべきなのは目付です。目付とは、1㎡あたりにどれくらいの重さがあるかを示す指標です。簡単に言えば、その不織布の「密度」や「厚みの目安」です。
サンプルで小さな不織布をもらったとき、「これが何gなのか」はまず気になるポイントです。ここを把握するだけでも、用途や製法の見当がつきやすくなります。
目付の計算方法
目付の計算方法は非常にシンプルです。必要なのは重さとサイズだけです。
まず、不織布の重さを測ります。そのあとサイズを測定します。例えば5cm×8cmのサンプルがあったとします。
このサイズをメートルに直します。
- 5cm → 0.05m
- 8cm → 0.08m
面積は、0.05m × 0.08m = 0.004㎡です。
ここで、仮にサンプルの重さが0.08gだった場合、
0.08g ÷ 0.004㎡
=20g/㎡
これで、1㎡あたりの重さ、つまり目付が算出できます。
この計算は現場で頻繁に使うため、体で覚えておくと便利です。
製法の見分け方(長繊維と短繊維)
目付が分かったら、次に確認するのは製法です。不織布にはいくつか種類がありますが、最初に見るべきは「長繊維か短繊維か」です。
確認方法はシンプルです。繊維の流れを見ます。
透かして見たときに、切れていない長い繊維が確認できる場合は長繊維です。この場合、ほとんどがスパンボンドと考えて問題ありません。
逆に、短く切れた繊維が見える、またはよくわからない場合は短繊維です。スパンレースやレジンボンドなどが該当します。勿論その他にもたくさんあります。
迷った場合は、短繊維と判断してもいいかもしれません。長繊維は比較的わかりやすく、透かせば見えることが多いためです。ただし、100g以上の厚手になると見えにくくなるため、多少経験が必要になります。
素材の見分け方(PPかそれ以外か)
次に確認するのは素材です。不織布の場合、主にポリプロピレン(PP)かポリエステル(PET)が多く使われています。
簡単な見分け方として、水を使う方法があります。不織布をしっかり濡らしてみてください。
- 水を弾く → PP(ポリプロピレン)
- 水が少しでも浸透する → PP以外(PETなど)
PPは水を弾く性質があるため、この違いは比較的はっきり出ます。ただし、透水加工が施されているPPもあるため、その場合は例外になります。
より細かい素材の違いについては、別途詳しく確認する必要がありますが、実務ではまずここまで判断できれば十分です。
メーカーの見分け方
最後にメーカーの特定です。ここで見るべきはエンボスです。不織布には、メーカーごとに特徴的なエンボスパターンがあります。
これは基本的に経験と記憶になります。見慣れていれば「あのメーカーのものだ」と判断できます。
もし見たことがないパターンであれば、海外製の可能性が高くなります。それでも判断できない場合は、商社に確認するのが確実です。大体の情報は把握しています。
また、短繊維でエンボスがない場合でも、目付や素材の傾向からある程度絞ることができます。たとえば「このメーカーの設備ではこの目付は出しにくい」といった知識が役立ちます。
判断の順番が重要な理由
ここまでの流れには意味があります。
- 目付を確認する
- 製法を判断する
- 素材を特定する
- メーカーを推測する
この順番で見ていくことで、無駄なく精度高く判断できます。いきなりメーカーを当てようとするのではなく、段階的に絞り込むことが重要です。
まとめ
不織布の見分け方は、特別な知識がなくてもある程度対応できます。重要なのは、順番と基本の確認です。
- 目付を計算する
- 長繊維か短繊維かを見る
- 水で素材を判断する
- エンボスでメーカーを推測する
この流れを繰り返すことで、自然と見分けられるようになります。最初は時間がかかっても問題ありません。一つずつ確認していくことが、実務では最も確実な方法です。


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